EVA樹脂(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)はエチレン ビニール アセタート コポリマーの略称で、エチレンと酢酸ビニル共重合樹脂(さくさんびにるきょうじゅうごうじゅし)の事です。
EVAの読み方はイーブイエーやエヴァと読みます。プラスチック製造の業界ではエヴァ樹脂と一般的に呼ばれています。
EVA樹脂は柔軟性や弾力性に優れており、軽量で無公害のプラスチック素材です。
EVA樹脂は汎用性の高い素材で、マットや玩具、ビーチサンダルなど非常に幅広い生活用品に使用されていますよね。
EVA樹脂の特性
EVA樹脂は一般的なポリエチレン(PE)と比べると柔軟性とゴム弾性に優れた特性があります。
他にも以下のような特性があります。
1.環境にやさしい素材
ポリエチレン(PE)のように塩素を含まないので、燃やしてもダイオキシンが発生しない環境にやさしい無公害の素材です。
熱可塑性(ネッカソセイ)樹脂であるためリサイクル加工がし易いので、再利用されるケースの多いエコな素材でもあります。
2.柔軟性と弾力性
EVA樹脂はポリエチレン(PE)よりも柔らかく優れた弾力性を持っています。
その特性を生かし、クッション、各種緩衝材、防護材、目地材、看板用ボード、玩具、床材(マット)、浴室用マット、ノベルティ商品などの幅広い用途に使われています。
3.優れた低温特性
低温特性とは、低い温度の環境下であったとしても硬くならないことをいいます。
この低温特性のおかげで冬の寒い時期でも硬くなりにくいので、1年を通してEVA樹脂の特徴である弾力性を維持できます。
4.接着性と装飾性
接着性に優れ、鮮明な着色や塗装がしやすい素材です。
その一方で、耐酸性やアルカリ性には弱いという特性があります。
5.とても軽い素材
EVA樹脂は比重が約0.95と小さいので、塩化ビニルやゴムと比べて軽量化しやすい素材です。
6.優れた耐久性と対候性
軽量にも関わらず優れた耐久性があることから、EVA樹脂は靴底やサンダルに使われています。
また、対候性が良いので、屋外での使用時における風雨や紫外線を浴び続けても劣化しにくい特徴を持ちます。
そのため、オゾン老化現象はありません。
7.安心・安全な素材
酢酸ビニル樹脂は、無色透明、水に溶けない、無味・無臭の樹脂で、チューイングガムに使用されています。
そのため、酢酸ビニル樹脂は食品衛生法の厳しい基準により製造されています。
安全性についても、各種試験により確認されています。
人体に悪い影響を及ぼす環境ホルモンを含んでいないEVA樹脂は、赤ちゃんやペットが舐めたり誤って口の中に入れたとしても安心・安全な素材と言えます。
コルクマットの臭いがひどい?
赤ちゃんマットを購入後、臭いが気になるという人が結構います。
コルクマットやジョイントマットの裏面にEVA樹脂スポンジを使用しており、臭いの元はこのEVA樹脂です。
EVA樹脂は人体に安全な素材で、臭いについても人体に悪い影響はありません。
ただし、臭いで気分が悪くなる人といますので、なんとかしたいですよね。
臭いの原因
EVA樹脂を作る上で架橋剤が必要になります。
この架橋剤がEVA樹脂の臭いの原因です。
架橋剤の臭いは時間が経つと気化して臭わなくなる特性があります。
臭いの取り方
架橋剤の臭いは気化して拡散していきますので、臭いが気になる場合は、窓を開けて風通しを良くすると、数日で臭いがなくなります。
できれば床に敷く前に、コルクマットやジョイントマットなどは風通しの良い場所に置いておいて臭いがなくなってから敷き詰めることをおすすめします。
マットの裏面を直射日光に当てて置いておくと臭いが早くなくなります。
ただし、コルクマットなどのように表面の素材によっては、直射日光を当てない旨が書かれていますので、事前に注意書きをよく読んでおいてください。
質のよいマットはEVA樹脂を加工する工程で臭いを中和させる消臭剤を入れている場合があります。
臭いの少ない、臭いのしないマットは臭い対策をきちんとされている製品です。
逆に安価なマットは臭いがきついものが多く、なかなか臭いが取れないといった声を聞きます。
赤ちゃんやペット用としてEVA樹脂を使用したマットを使う場合は、価格よりも品質で選びたいですよね。
まとめ
EVA樹脂はクッション性が高く、防音や断熱性能も高く、何より安心して使用できる素材であることから、さまざまな生活用品に使われています。
赤ちゃんやペット用、階下への防音マットとして、人気の高いコルクマットやジョイントマットの素材に使われているのも納得できますよね。