アパートやマンションでお住まいの方は、お隣や階下への騒音を気にされる方が多いと思います。
特に小さいお子さんがおられる家庭の場合、隣人に迷惑をかけていないか心配ですよね。
簡単に引っ越すわけにも行かないので住人同士でのトラブルはなるべく避けたいものです。
となれば出来る範囲でのマナーは行いたいです。
子供には家の中で走ったり跳ねたり物を投げたりさせないよう躾をすることが大事です。
テレビの音は適度な大きさで窓やシャッターを閉める時はなるべく音をたてないように静かに閉めます。
夜など遅い時間での洗濯機を回すのはしない。
などなど、防音対策として出来る範囲の気遣いはしたいものですね。
実際はどれだけ気をつけても生活音がなくなることはありません。
限界もあると思います。
育ち盛りのやんちゃな男の子はなかなか言うことを聞いてくれなかったり、赤ちゃんの夜泣きやぐずり泣きはどうしようもなかったりしますよね。
「うちはしょうがない」からと言って何も防音対策をしないと階下や隣人から苦情を受けてしまいます。
クレームをもらう前になんとかしたい防音対策としてコルクマットを思い浮かべる人が多いです。
ただし、コルクマットの特性を理解しないと防音の効果がまるでないということになりますよね。
防音に効果のあるコルクマットの使い方は床にひくことで音を吸収します。
間違っても壁にコルク材のシートを張っても防音にはまるで効果はありません。
コルクマットの材質の特性
コルクマットの材料になるコルクはコルクガシの樹皮を剥いで製造します。
コルクには空気をたくさん含んでおり、弾力性に優れた素材です。
音や衝撃を吸収してくれます。
コルクマットはコルクの端材に接着剤を混ぜて圧縮し成型されたマットです。
コルクの特性と同じくコルクマットは音や衝撃を吸収します。
フローリング材を使用したリビングなどの防音対策としてコルクマットは人気がありますよね。
ただし弾力性に優れたコルクの特性上、固体伝搬音には効果がありますが、空気伝播音には効果が期待できません。
対策したい防音はどんな生活音ですか?
振動の伝わり方によって音には二種類あります。
まずはあなたが対策したい生活音のことを知る事が大事だと思います。
空気伝搬音
空気を媒体として音の波動が伝わり広がっていく音を空気伝播音と言います。
空気を伝わるので距離が離れると音が徐々に小さくなっていきます。
話し声やテレビの音、ラジオやステレオから流れる音は空気を介して伝わっていきます。
隣の部屋や上階からの音が聞こえてくるのは、壁や天井の材質内にある空気を伝って聞こえてきます。
密度の高い重量のあるコンクリートなどは空気伝播音を通しにくく、逆に空気の気泡が多いコルクマットを床や壁に置いても空気伝播音に対しての防音効果は薄いです。
固体伝搬音
固体伝搬音はコンクリートや水道の配管などを伝わる音のことです。
音が伝わるというより、音の振動が伝わることで音が届きます。
分かりやすい例として糸電話を昔やったことがある人は多いかと思いますが、糸の中を音の振動が伝わることで音が届きますよね。
よく騒音で問題になる工事中のけたたましい音なんかは、地面を掘ったり打ちつけたりした時の音の振動が地面を経由して、建物の床や壁に振動が伝わり、音が通り抜けると空気を伝わって部屋の中に聞こえてきます。
ちなみに床や壁から出るのを放射音と言います。
床衝撃音は固体伝搬音のひとつでリビングなどの床で跳び跳ねたり物を落としたりすると、その衝撃が床の中に固体音として伝わり階下の天井から音が放出され、「ドスン」と響いたような音が聞こえます。
コルクマットは柔らかい素材で加工されているので衝撃や音を吸収するため、固体伝搬音に対して効果的な防音対策になります。
防音の材質の特性を知ろう
防音材料は、「遮音材」、「吸音材」、「制振材」、「防振材」の4種類の建材に分類されます。
遮音材
遮音材には音を通さない音を遮断する特性があります。
つまり、音を反射させます。
音を遮る効果が高い材質はコンクリートや鉛、石膏(せっこう)といった重量のある材質になります。
例えばコンクリートの壁は遮音性が高く音が跳ね返り、反響した経験があると思います。
遮音効果のある遮音シートなどを壁に張ったり、遮音性の高い窓ガラスを使用したり遮音カーテンを用いることで外部からの音を入ってこないようにするとともに室内から外部へ音を漏らさない効果が期待できます。
吸音材
吸音材は遮音材とは逆に音を跳ね返すのではなく、音を吸収する作用があります。
音を吸収する仕組みは吸音材は密度が低いため、材質の中に含まれる空気が音によって振動します。
振動すると音エネルギーが熱エネルギーに変換され音が小さくなり、小さくなった音が吸音材を通り抜けていきます。
吸音を感じる例として、部屋の下見や引っ越し前の家具一つない部屋はよく音が響きますよね。
でも部屋に家具を置くと音が響かなくなります。
それは家具を置くことで家具が吸音材の役目をし音が吸収されているからです。
吸音の効果を高めるには材質の厚さがポイントになります。
遮音材と同じく厚みがある方が防音効果は高くなります。
吸音材の重量は密度が低いぶん密度の高い遮音材に比べて軽い材質になります。
コルクの材質は吸音材に分類されます。
制振材・防振材
制振材や防振材は振動による音を防止したり、振動を和らげて音を小さくする働きのある防音材になります。
主な使われた方として、天井や壁、床材の遮音材の間に制振材や防振材をはさみます。
間にはさむことによって構造物の中に伝わった振動を和らげ、防音効果があります。
コルクマットは床衝撃音に効果的!
音には空気伝播音と固定伝搬音があることがわかってもらえたと思います。
そして、防音材にも種類があり、防音効果に得意な音とそうでない音がありましたよね。
コルクマットの材質は弾力性のあるコルク材で加工されているので音の衝撃を吸収する吸音材になります。
吸音材の防音効果の高い音は固定伝搬音ですよね。
コルクマットは床に敷くことで、固定伝搬音である床衝撃音の防音対策に効果が発揮されます。
隣人から話し声やテレビの音がうるさいと苦情を受けてコルク材のボードやシートを壁に張ることを検討される方がいますが、ほとんど防音効果はありません。
また、赤ちゃんが産まれたご家庭で、夜泣きやぐずり泣きの声が大きくなってくると、マンションの住人への配慮から防音対策の必要性を感じコルクマットを検討される人が多いです。
ですが、赤ちゃんの泣き声に対しては防音効果がほとんどないことがお分かり頂けたかと思います。
コルクマットを検討されるのであれば、赤ちゃんの防音対策というより、赤ちゃんが転倒した時は衝撃を吸収しますので怪我の防止などの目的で検討されるといいと思います。
床衝撃音の防音対策としてコルクマットはおすすめです。
床衝撃音とは部屋の中をペタペタ歩く音や子供が走ったり跳び跳ねた時のドスンという音になります。
また、スプーンやホークなどをフローリングの床に落とした時のカーンという軽い音や、イスなどの大きな物を倒した時のガタンという重い音があります。
このように床衝撃には音の性質により、軽量床衝撃音と重量床衝撃音に分類できます。
重量床衝撃音の場合はコンクリートの床スラブの仕様や厚さ、梁で囲まれた面積、床スラブの種類で性能が決まってしまうので、防音対策として出来ることはコルクマットなどを敷くのも一つの手ですが、重量床衝撃音をなるべく出さない心がけが大事です。
子供がいるのであれば、走り回ったりイスの上から飛び降りるなどの行為はさせないように注意することです。
リビングや廊下などはフローリング材が多いと思います。
和室よりも洋室を好まれる傾向があり、新しいアパートやマンションでは全て洋室タイプのお部屋しかないなんてこともあります。
オシャレで見た目もきれいなフローリングですが、よく問題になるのが階下への音です。
フローリング材は硬いので人の歩くペタペタする音やスプーンやホークなどを床に落とすとカーンと音が響きます。
そのような音域の高い音は軽量床衝撃音と呼ばれ、階下への生活騒音としてマンション住人とトラブルになる原因が増えています。
軽量床衝撃音の場合、重量床衝撃音と違い不注意や特に意識していなくても音を出しているケースが多く、音を出さないように気を付けるのは難しいことが多いです。
そんな軽量床衝撃音に対する防音対策として、コルクマットやジョイントマット、ラグや防音カーペットを敷くことで階下への生活音を軽減できます。
ただし注意して欲しい事としてコルクマットなどを敷くと床衝撃音を吸収して音を小さくしてくれますが、決して消音になることはないのでコルクマットを敷いたからといって階下への音はないはずと思わないことです。
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まとめ
アパートやマンションに住まわれているとまず住人通しのトラブルになりやすいのが騒音問題です。
特に赤ちゃんや元気なお年頃の子供がいてると階下や隣人から騒音の苦情を受けることが多いです。
生活騒音で難しいのが人によって感じ方が違うというところではないでしょうか。
以前住んでいたところでは「うるさい」なんて言われなかったのに、今度引っ越したところでは苦情を受けたりなんて事があるのは、生活リズムが違ったり、住んでるところの騒がしさ、建物の仕様、年齢などで音に対する受け取り方が変わります。
今度の住人は「本当にうるさい人」「ちょっと神経質すぎない?」などと批判的な思いをせずに、できる範囲でテレビの音を小さくするとか夜間での大きな話し声は控えるなど、近隣住人への配慮は大事かなと思います。
また階下への床衝撃音はコルクマットなどを敷くなどの防音対策を考える事が相手への思いやりになるのではないでしょうか。
騒音トラブルを未然に防いで快適なマンションライフを楽しみたいものです。