最近の賃貸マンションは入居前にリフォームを行い、結露のしにくい複層ガラスの窓に取り換えることもあり、窓には結露しにくいマンションが増えています。
しかし、「窓は結露していないのに、フローリングは結露していて悩んでいます」という声を聞きます。
冬の寒い日に暖房器具をつけるとフローリングの床がぬれて困っていませんか?
「このままほっておくとカビが発生しないか?」
「フローリングが腐ったり、傷んだりしないか?」
フローリングに結露がおきると心配ですよね。
賃貸マンションに住んでいて、フローリングの結露がひどいと、引っ越すときの修繕費用まで気にする方もおられます。
どうして結露が発生するのか原因を知った上で、フローリングの結露対策をしたいですよね。
結露が発生する2つの仕組みとは!?
空気は温度によって含むことができる水蒸気の量が違います。
暖かい空気ほどたくさんの水蒸気を含むことができます。
結露が発生するパターンは2つあります。
1.空気が冷やされて発生する結露
水蒸気をいっぱい含んだ暖かい空気が冷やされると、水蒸気を含む許容量を超えてしまい、あふれ出た水蒸気が水にかわります。
この余分な水蒸気が結露です。
水をいっぱい含んだスポンジをイメージしてください。
スポンジが冷やされるとスポンジが縮んでいくとします。
スポンジが縮むとどうなりますか?
水があふれ出ますよね。
こんな感じで暖かい空気が冷やされて結露がおきます。
身近な例だと、夏のキンキンに冷えたビールに水滴がつくのは、ジョッキの表面が冷たいので触れた空気が冷やされあふれた水蒸気がグラスの表面につくからです。
冬の窓ガラスやサッシ部分に水滴がつくのも同じように空気が冷やされて結露が発生します。
フローリングの結露対策を考えた場合、「フローリングの表面を冷やさないこと」と言えそうです。
2.限界量を超えると結露が発生
空気に含むことができる水蒸気の量は決まっています。
水蒸気が大量に発生すると水蒸気を含むことができず結露になります。
今度は乾いたスポンジをイメージしてください。
スポンジに水を注ぐとある一定の量まではスポンジに吸収されますが、スポンジが吸収できる水の量を超えるとあふれますよね。
サウナのように水蒸気が限界量を超えると結露が発生します。
今回のことから言えることは、「部屋を加湿しすぎないこと」がフローリングの結露対策のポイントになりそうです。
ほっとくと怖い!結露による恐怖
フローリングが結露するのは、水蒸気を含んだ暖かい空気が、温度の低いフローリングに触れることでおこります。
温度が下がりやすい部屋の隅や、北側の部屋、人気のない部屋のフローリングは注意が必要です。
表面結露したフローリングをほっておくとどうなると思いますか?
表面結露はカビが発生する原因です。
カビが活発になる環境を知っていますか?
カビが大好きな環境は
- 温度が25℃から35℃
- 湿度が75%以上
だと言われています。この条件を満たすとカビは恐ろしいスピードで増殖していきます。
この条件に合いやすい時期といえば、梅雨や高温多湿になりやすい夏を思い浮かべると思います。
しかし、近年の住宅環境は暖房器具の使用などにより、一年を通してカビの発生する環境が整っています。
結露が発生している状態で暖房を使用していると冬の寒い時でさえカビが発生するのです。
カビが発生するとダニが生息し始めます。
ダニが発生しやすい環境はカビと非常に似ております。
また、カビはダニのエサになりますので、ダニがどんどん増えていきます。
カビの胞子やダニの死骸やフンが部屋中に舞い、ぜんそくやアレルギーを発病する原因になってしまいます。
そのような最悪の事態になる前に、諸悪の根源である結露を防ぐことです。
フローリングの結露対策とは
1.フローリングの表面を冷やさないこと!
冬の表面結露を防ぐには、フローリングの断熱化によって、フローリングの表面を冷やさない対策が必要です。
フローリングの床下からの冷えを防ぐために断熱材を入れたり、フローリングを床暖房にできれば、非常に効果がありますが、賃貸マンションの場合、現実問題として不可能です。
では、どうすればフローリングの表面の冷えを防ぐことができるのでしょうか?
コルクマットを敷く
賃貸マンションやリフォームできない家のフローリングは、断熱効果の高いコルクマットを敷くことです。
コルクは断熱材としてとても優れた材質です。
コルク内部に気泡といわれる空気が多く含まれており、とても空隙率(くうげきりつ)の高い素材なのです。
空隙率が高いと熱伝導率が低くなります。つまり、熱が伝わりにくいのです。
コルクには調湿や吸湿機能をそなえており、結露の発生原因になる湿度対策にも有効な素材といえます。
コルクマットの裏面は、EVA樹脂を使用しています。
コルク材と同じくEVA樹脂も断熱効果の高い素材です。
フローリングにコルクマットを敷くことでフローリングの表面の冷えを防ぐことができます。
そして、フローリングに足を置いた際の「ひやっ」とした冷たさからも解放され、足元からの底冷えを防ぐことができるメリットもあります。
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窓からの冷気を遮断する
窓からの隙間風によってフローリングの表面が冷えます。
温かい空気は上がり、冷たい空気は下がります。
窓の隙間から入り込む冷気を防ぐには断熱効果の高い厚手のカーテンを使用することです。
カーテンを二重にすると断熱効果が高くなります。
カーテンを使用することで冷気を防ぐだけでなく、窓とカーテンの間に空気の層ができ、空気の層が断熱材かわりになり、部屋全体の断熱効果もあがります。
ただし、カーテンの長さが床まで届いていないと意味がありませんので気をつけてください。
腰高窓の場合、カーテンが床に届いていないケースが多いので、冬の間だけでも床まで届く長いカーテンに変えてみてはどうでしょうか。
2.暖房器具を見直すこと!
暖房器具に石油ファンヒーター(ストーブ)やガスファンヒーターを使っていませんか?
これらの暖房器具は石油やガスを燃焼する際に、水蒸気が発生します。
暖められた空気は発生した水蒸気を大量に含み、暖房器具を止めると部屋は冷やされ、空気に含まれていた水蒸気があふれ、結露がおこります。
部屋全体を暖めるパワーは小さいですが、「輻射熱(ふくしゃねつ)型の暖房器具」は水蒸気は発生しません。
代表的な輻射熱型の暖房器具
- 床暖房
- ホットカーペット
- オイルヒーター
これらの暖房器具は空気もクリーンで心地よい温かさを感じることから、赤ちゃんや高齢者の方がおられるご家庭で人気があります。
もう一つ、冬はエアコンなどの暖房を使うと「乾燥している!」と感じて、お肌や風邪予防の観点から加湿器を使用するおうちが増えています。
部屋の湿度が上がりすぎないようにチェックすることも結露対策の一つといえます。
3.空気の入れ替えを行うこと!
最近のマンションは気密性が高く、水蒸気を大量に含んだ空気が外に逃げにくくなっています。
窓を開けて、部屋の空気を入れ替えます。
水蒸気を含んだ空気は外へ、外からの乾いた空気が部屋に入ってくることで結露の予防になります。
「寒くて窓を開けたくない!」って方が換気扇を回すのも効果的です。
ただし、雨降りの日に換気扇を回すと逆に部屋の中に湿気が入ってくるので、雨の日は換気扇を回すと逆効果になるので、注意してください。
湿度があがる原因
結露対策の方法ではありませんが、結露が発生する原因はありませんか?
観葉植物
リビングに観葉植物を置いていませんか?
観葉植物は癒やし効果があるだけでなく、加湿効果もあります。
もし、フローリングに結露がおきているのであれば、湿度が高くなっている可能性があります。
風通しの良い場所に移動するなど、観葉植物の置き場所を変更することをオススメします。
部屋干し
冬は乾燥予防として加湿代わりに衣類を部屋干しする人がいます。
部屋の中に大量に水分を発生することになり、結露がひどい場合は部屋干しは控えた方がいいと思います。
- 防犯上、ベランダに干したくない
- 風が強く、外に干せない
など、どうしても部屋干ししないといけない人は、
- 風呂場に干す
- 風を当てて早く乾かす(扇風機を使う)
- 乾燥機を使って乾かす
- 除湿機を使う
- 換気をする
といった方法により、湿度には注意しましょう。